長期金利 long-term interest rate 2004 8 28

共同通信社のニュースには、このようなニュースがありました。
「国債費、5年ぶり20兆円台」
「景気回復に伴う長期金利の上昇を受けて、
国債の利払いと償還に充てる国債費が、2000年度以来、5年ぶりに20兆円を突破。」

 この問題は、実に、やっかいな問題です。
景気が回復すれば、長期金利は上昇します。
そして、国債費も増加するでしょう。
これでは、財政運営が苦しくなると思います。
さらに、長期金利の上昇は、債券価格の下落を意味します。
これは、国債相場に投資している金融機関や投資家にとっては、損失となります。
 だからといって、不景気のままでいいのかと言えば、不景気では困ります。
不景気になると、税収が減りますので、財政運営が苦しくなります。
 それに、「貯蓄から投資へ」と聞きますが、
この場合、株式市場は上昇するかもしれませんが、
国債相場は下落するでしょう。
 また、日銀は、もはや体力の限界に近いでしょう。
さて、どうしましょうか。
 この問題は、財務省が一人で悩むのではなく、
より多くの人が、アイディアを出すべきです。

客の奪い合い solicitation 2004 8 5
 最近は、個人向け国債に人気がありますね。
最初の頃は、不人気でしたが、
最近は、利率がよくなりましたので、人気が出たようです。
 しかし、これは、株式市場にとっては、頭が痛いことです。
個人客を、国債に奪われてしまうからです。
もともと、日本人は、農耕民族で、安定志向なので、
利率がよくなれば、株よりも、国債を選ぶでしょう。
 これは、個別に見れば、正しいことかもしれません。
個人にとっては、安心できる資産でしょうし、
財務省から見れば、国債の安定消化が期待できるでしょう。
 しかし、全体で考えれば、誤りです。
バブル崩壊後の株価低迷が、いかに経済に影響するか、
誰でも知っているでしょう。
それは、株式市場が、資本主義国のエンジンに相当しているからです。
 ただ、いくら個人の金融資産が巨額であると言っても、
多くは、高齢者が保有していると言われます。
リスクを嫌う高齢者に、株を勧めても、難しいでしょう。
個人向け国債の利率がよくなれば、国債に流れてしまうでしょう。
これは、年齢を考えれば、やむを得ないことでしょう。
 しかし、リスクが取れる若者や中年は、
株式投資をするほど、金銭的な余裕がないでしょう。
若者は、フリーターが多く、金融資産と呼べるものはないでしょう。
中年は、教育費やマイホームのローンで、とても余裕がないでしょう。
 そうすると、やはり、期待できるのは、高齢者の金融資産です。
しかし、高齢者は、安全志向です。
そのため、個人向け国債に、お金が流れしまいます。
つまり、巨額の資金が、民間部門に流れず、公的部門に吸収されてしまいます。
これでは、景気は、いつまで経っても、不景気なままでしょう。
 この際、発想を変える必要があるかもしれません。
巨額の金融資産を、高齢者が保有しているとすれば、
資金の流れを、公的部門から民間部門へと変えるのは、無理でしょう。
 そこで、高齢者専用の国債を発行して、資金を集め、
その資金で、政府が、日本の成長部門や将来部門に投資していくということです。
つまり、日本が得意とする科学技術に投資していくということです。
それは、たとえば、燃料電池などの水素エネルギー、ナノテクノロジー、
バイオテクノロジーなど、日本が世界に対して優位にある分野です。
 こうした「国家資本主義」もあり得ると思いますし、
日本特有の金融事情を考えれば、十分検討すべき課題です。
















































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